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光触媒反応を医療に応用!抗菌カテーテルの安全性と実用化について2021.0416

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現在、さまざまな分野で、光触媒の2大作用である酸化分解超親水性が利用されています。私たちの生命や健康に深く関わる医療の分野も例外ではありません。

カテーテルや医療用チューブなど、体内に長く留まることもある治療器具にも利用されるようになっています。理由は、光触媒の抗菌効果です。菌やウイルスは有機物ですから、酸化チタンの薄膜を器具にコーティングすることで、器具に付着した菌やウイルスを酸化分解することができるのです。

ここでは、抗菌カテーテルを始めとした、医療分野における光触媒利用について解説します。

光触媒でカテーテルをコーティングする

カテーテルに代表される医療用材料や器材は、ナイロンテフロンシリコンなど弾性のある高分子材料です。そのため、酸化チタンのコーティング層が密着しにくいという難点がありました。さらに、暗所である体内では光触媒が活性しにくいという問題もあったのです。

ここでは、カテーテルの役割を知るとともに、抗菌カテーテルが問題点をいかに克服したかを見ていきます

カテーテルって何ですか?

カテーテルとは、体内に挿入して、検査や治療などを行うための柔らかい細い管の総称です。素材は高分子化合物が中心で、太さは1~10mm程度、長さは数cm~2mくらいのものが一般的です。用途や目的により形状や色はさまざまです。血液や体液の採取や排泄、圧や流量の測定、検査や治療を行うために欠かせない器具であり、すべての診療科で使用されているといっても過言ではありません。

特に、心臓や血管などに関する診療で使われていることは広く知られています。その代表的な例が、心臓カテーテルです。心臓カテーテルは、腕や太ももなどの動脈から直径約2mmのカテーテルを挿入して、先端を心臓血管の詰まったポイントに運び、薬液を注入したり風船で拡張したりする治療です。

抗菌カテーテルの問題点とは

患者さんの体に直接挿入されて、長期間体の中に留まることもあるカテーテルは、細菌による汚染が確実に起こります。そのため、カテーテルの交換を頻繁に行う必要があるのですが、患者さんにとっては肉体的にも経済的にも大きな負担になります。

この負担を軽減するため、カテーテルの抗菌・防汚性を高めるために光触媒を利用する研究が行われてきました。カテーテルの抗菌・防汚の機能性を高めることで、交換の頻度を減らすことができれば、患者さんの負担を軽減することができるからです。

しかしそれには、以下の2つの問題点がありました。

・弾性高分子材料であるカテーテルと光触媒コーティング層がうまく密着しない
・光触媒機能の効果を発揮させるための体内への光照射をどう行うのか


以上の2点を解決する必要があったのです。

抗菌カテーテルの問題点を解決!

カテーテルを曲げたり伸ばしたりする際の光触媒コーティング層との密着性や耐久性の問題、ぬれ性が悪く均一にコーティングするのが難しいという問題の対策として行われたのが、酸処理とディップコーティング法との組合せによる成膜でした。

・コーティング前に材料を強酸性の水溶液に浸漬させる(表面を荒らす)
・洗浄乾燥後に接着層用塗料にディップコーティング(均一な薄膜の形成)
・完全乾燥後に光触媒層塗料をコーティング


以上により、カテーテルと光触媒コーティング層との密着性は大きく改善されたのです。

体内への光照射については、光ファイバーを用いて光を導く方法と、光を直接用いないで酸化チタンの薄膜上で銀や銅の光触媒反応を利用するという2つの方法が検討されています。特に銀につては、酸化チタンの光触媒反応の還元力により、大きな抗菌効果が確認されています。

このような研究の成果として、抗菌カテーテルが誕生したのです。

抗菌カテーテルの医療分野での応用検討

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現在、さまざまな研究グループによって、光触媒機能を利用した抗菌カテーテルの効果と安全性が証明されています。実用化に向けて拍車がかかっている状況です。ここでは、その概要について見ていきましょう。

各種病原菌に対する抗菌効果

体内に挿入して使用するカテーテルは、大腸菌をはじめとして、緑膿菌や黄色ブドウ球菌などの各種病原菌の付着という危険にさらされています。常に抗菌性を必要とされる医療器具なのです

例えば、自己導尿カテーテルを使用している患者さんは、消毒液を充填した容器にカテーテルを保管して消毒しています。この消毒液は頻繁に交換しなければならないので、常に予備の消毒液を携帯している必要があり非常に不便です。

使い捨てのカテーテルもありますが、これは1ヶ月に200本も消費するため、環境にも資源にも優しくありません。

抗菌カテーテルを利用すれば、消毒液充填容器が必要ありません。太陽光が当たる環境に置くだけで減菌作業が完了します。また、抗菌カテーテルと光照射器具をセットにした高機能自己導尿カテーテル・デバイスも開発がすすめられています。

反応性(動物実験)と毒性検査

光触媒コーテイングされた抗菌カテーテルの安全性の検証についても、さまざまな研究が行われています。マウスを使っての炎症や組織変性、壊死については、すでに臨床分野で幅広く使用されているシリコンゴムと同程度の安全性が確認されています。

体内に挿入して使用されるカテーテルのような医療器具は、バイオマテリアル(生体材料)と呼ばれ、細胞毒性試験が義務付けられています。光触媒コーテイングされた抗菌カテーテルも同様の試験が行われ細胞毒性は認められていません。

このような抗菌結果を得る過程で、酸化チタンと銀をコーテイングされたカテーテルは、光照射しない場合でも抗菌効果が確認されたことが報告されています。

まとめ

カテーテル治療を受けている患者さんにとって、カテーテルは命をつなぐための重要な器具であり、なくてはならないものです。前述の通り、心臓や血管、導尿など利用されていない診療科がないほど一般的なものになりつつあります。

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